音声デジピーターとは、JARLのレピーターとは異なり、個人局または社団局で自由に開設できる合法の中継システムで、日本国内では“音声デジピーター”または“山彦レピーター”、海外では“Simplex Repeater”と呼ばれています。
1つの周波数だけ使用し、30秒〜60秒程度の受信した音声を一度録音し、再送信します。
国内では29MHz帯FMで愛好者が多く、50MHz帯や144MHz帯、430MHz帯でも運用されています。
そこで私は1200MHz帯で、伝搬調査とローカル局との交信用に運用してみました。
- 周波数:1296.420MHz
- アクセストーン:88.5Hz(※注)
- 1回の録音時間:28秒
※注:WIRES-Xの設備と共用のため、WIRES-Xが稼働中は使用不可。
アクセス時は、一度DTMF「#9999D」または「#99999」で他のノードやルームから切断してからご利用ください。
また、音声デジピーターをアクセスされる無線機は、必ず88.5Hzのトーンエンコーダーのみオンにしてください(ノードからはWIRES-Xと同じ79.7Hzのトーンで送信されているため)。
音声デジピーターによる交信は、最初は戸惑います。
なぜなら、1回の録音時間が30秒程度ですので、ある程度、頭で考えながら話す必要があり、慣れが必要です。
そんな私も、しょっちゅうタイムオーバーしながら、また、途中で相手局とダブってしまったり…今でも失敗を繰り返しながら交信している事が多いです。
ですが、アマチュアですから。失敗しても、再送信して交信が成立すればいいじゃないですか。
慣れてくると、一度、録音された自分の声が再送信され、きちんとアクセス出来ているか確認できますし、結構、面白いものなんですよ。
また、2021年9月の事ですが、新潟県へ行った際に宿泊先のホテルに、ポータブル運用で音声デジピーターを開設、1200MHz帯の活性化と伝搬調査の目的で運用してみました(JQ1ZMY/0)。

もちろん、宿泊先のホテルの部屋のテーブルに、DJ-G7(ホイップアンテナ)と言った、本当に簡易的な運用です。

バッテリー運用ですので、送信出力0.3W運用です。
本当は外部にアンテナを出したかったのですが…。

しかし、予想以上に軽く7Km〜9Km以上は飛びました!
144/430MHz帯より全く飛ばない1200MHz帯ですが、この時ばかりは、この貧弱な設備でも見通しが効けば、以外に遠くまで届くと言う事が分かりました。

私以外にも、皆さんで1200MHz帯の活性化や伝搬実験のために、ぜひ音声デジピーターも運用していただけると、嬉しいのですが…。
現在、高価な固定機を除いて、1200MHz帯を運用できるハンディ機やモービル機が入手困難なのが、非常に残念ですね。